睡眠を見直す

 みなさんは満足に睡眠が取れていますか?

思うように眠ることができず睡眠薬に依存したり、多用していませんか?

睡眠薬に依存せず良好な睡眠を取るために役立つ情報をご紹介します。

加齢による睡眠の変化

 私たちの睡眠は、浅い眠り(レム睡眠)と

深い眠り(ノンレム睡眠)によって成り立っています。

特にこの深い眠りは脳内の不要物質を洗い流す役割がある大切な時間です。

しかし若年者に比べて

高齢者では深い眠りの時間が短くなる傾向にあります(図1)。

また若年者に比べて高齢者では、

寝床にいる時間が長くなる傾向にあります(図2)。

つまり加齢によって、布団にいる時間は長くなる一方、

実際に眠っている時間が短く、眠りが浅くなっていく特徴があるのです。

こうして起こる睡眠不足により、

脳内に不要なタンパク質(アミロイドβ)が蓄積し、

うつ病や認知症のリスクを高めてしまうことが報告されています。

また、睡眠不足によって日中の身体活動量が減ってしまい、

筋力や体力の低下につながってしまう恐れもあります。

体内時計が狂うと眠れない?

 私たちには、体内時計(サーカディアンリズム)が備わっており、

自然と朝になると目が覚め、夜になると眠くなるようになっています。

これは25時間周期で体の中の体温、血圧、ホルモンなどの

変動を管理しているためです。

「1日は24時間なのに25時間周期だと1時間のズレが出てしまうのでは?」

という疑問が浮かぶと思います。

この少しずつのズレによって体内時計の狂いが生じ、

「夜、寝つきが悪い」、「日中眠くなる」などの問題が起きてしまうのです。

この体内時計のズレを修正するために以下のことに気をつけましょう(図3)。

自律神経を整える

自律神経と睡眠は密接に関わっています。

自律神経は、活動的になる「交感神経」と、

リラックスする「副交感神経」の2つが、

その場の状況に応じて意志とは関係なく働いています。

 基本的に、日中は活動的になるために交感神経が優位に、

夜間は休息・睡眠を取るために副交感神経が優位になりやすいです。

そのため、もし夜間に交感神経が優位になってしまうと

寝ることができなくなります。

夜間に交感神経を優位にしてしまう要因について

知っておきましょう(図4)。(猪熊)

参考文献:厚生労働省 生活習慣病予防のための健康情報サイトe-ヘルスネット

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