リハのこの人、第8回目特別編は当院内科医の風間直久氏です。
今回は風間氏の仕事や趣味について語っていただきました。
また後半には初となるエッセイもご紹介しています。是非お楽しみください!
この仕事についたきっかけは?
私の父親は、村の開業医でした。
私もその後を継がなくてはと思い、群馬大学医学部へ入学しましたが、
卒業後、二年が経った時に父親が亡くなりました。
後を継ぐにはまだ若かったため、勤務医を続けましたが、その後まもなく
近所に別の医師が開業したため、現在も勤務医を続けています。
仕事で印象に残っていることは?
当直をしていた時、夕方に入院してきた若い方が翌朝突然死したことです。
大変驚きましたが、原因をはっきりさせねばと思い、御家族に御遺体の
頭部CTを撮りたいと申し出たところ、承諾を得ました。
そこで休暇中でしたが、レントゲン技師に来てもらい、頭部CTを撮りました。
この画像を、翌日の当直医の先生、急を聞いて駆けつけた先生、私の三人でみて、
脳腫瘍の診断を得ました。さらに、知り合いの放射線科医に
確認したところ、初期の段階で診断しても救命できない脳腫瘍とのことでした。
―― 風間先生のご経験から、最後まで諦めずに追求することの大切さを
改めて学ばせていただきました。
今後の目標は?
来年は後期高齢者であり、特に目標といえるものはありません。
望まれる間は、勤務を続けなければという気持ちがある一方、
体力の衰えがあり、期待に答えられないのではないかという不安もあります。
―― 風間先生を待っている方がたくさんいらっしゃいます!
これからもよろしくお願いします!
仕事以外に夢中になっていることは?
最近、飛鳥時代・奈良時代の歴史小説を愛読しています。
私は今まで同じ小説を二度読んだ経験がありませんが、
今回初めて繰り返し読んでいます。
次の三つの小説を読むと、六四〇年頃から七四〇年頃までの
約百年間の飛鳥時代から奈良時代への歴史が繋がります。
一.落日の王子 蘇我入鹿(そがのいるか) 著:黒岩重吾 文春文庫
二.額田女王(ぬかたのおおきみ) 著:井上靖 新潮文庫
三.穢土荘厳(えどしょうごん) 著:杉本苑子 文春文庫
主な内容は、
一.大化改新
二.白村江(はくすきのえ)の戦い、壬申(じんしん)の乱
三.長屋王家滅亡、天然痘流行、大仏開眼
私はこれらの小説がNHK大河ドラマになればいいのにと、
密かに考えたりしています。
エッセイ「雪雲のカーテン」
私は現在、電車通勤をしていますが、時々用事を果たす為に
車で通勤することがあります。
ある冬の日、出勤の為関越自動車道を走らせていた時、
北の空を見ると空一面が横一直線で上下に区切られていて、
上は雲ひとつない青空が広がり、下は灰色の雪雲でした。
まるで灰色のカーテンが下がっているようでした。
文=風間 直久
今回、風間氏の今まで知られていなかった一面を知ることができました。
雪雲のカーテンもきっと心を奪われるものだったと思います。
いつか実際に見てみたいですね!次回もお楽しみに!