リハのこの人、第3回目は石坂裕子氏です。
石坂氏は1999年より当院に勤務され、
♯1の今野氏と共にスタッフ数が少ない黎明期の当院を知る存在です。
また、石坂氏はみなかみ町の大規模農園に嫁ぎ、
土日は農業を手伝いながら、三児の子育てをし、
仕事もバリバリこなす、いわばスーパーウーマンです。その素顔に迫ります。
この仕事についたきっかけは?
子どもの頃から将来の夢はずっと「保母さん(保育士)」でした。
しかし、実際に進学先を考える高校2年生となると、数学が好きだからと理系を選択しており、
ピアノも弾けないなど、進学に適さず急に目標を見失ったように感じました。
悩みながらも友人に相談すると、理系のため医療系への進学を考える友人ばかりであり、
紹介された医療系の進学情報誌で初めて理学療法士という職業を知りました。
私自身中学・高校と陸上部に所属し、短距離や走り幅跳びを専門としており、
特に高校時代は陸上中心の生活を送っていました。
その陸上での経験を将来少しでも活かせればいいな、と思っていたこともあり、
理学療法士の仕事内容を調べていくうちに
「医療系にこんな仕事があるのか、私もこんな仕事がしたいな」と思い、
この仕事に就くきっかけとなりました。
どのような仕事をしていますか?
ここ十数年は病院併設の老人保健施設(老健)で勤務しています。
老健とは介護を必要とする高齢者が、日々のケアに加えリハビリを行い、在宅復帰を目指す施設です。老健では入所されている方のリハビリや、
日帰りで入浴やリハビリを行う通所リハビリを担当しています。
痛みの緩和や筋力トレーニング、歩行練習などを行って身体機能の改善を図ることはもちろんですが、
在宅復帰へのアプローチも多く行っています。
実際にご自宅へ訪問して在宅環境を調査してくることや、
ご家族や担当のケアマネージャーさんとのやり取りも多く、
担当者会議への出席などの仕事もあります。
利用者様が安全に自宅での生活が送れるように、
必要な住宅改修や福祉用具の選定などのアドバイスも行っており、
より在宅での生活に近いところで理学療法士として仕事をしています。
業務の中で最も印象に残っていることは?
理学療法士になって1年目のことです。
プライベートで嫌な事があり、気分が沈み仕事中も笑顔になれなかった時、
いつもニコニコと笑顔のステキな患者様が輝いて見えました。
どうしたらそのような笑顔が出来るのかと思い、
「いつも笑顔がステキな秘訣ってありますか?」と質問しました。
その方はご主人や娘さんを亡くされる辛い経験をされていましたが、
「笑顔でいても嫌な顔でいても同じ一日だもの、笑顔でいたほうがいいじゃない⁈
良い顔でいたほうがいいことがやってくるものよ。
あなたも良い顔でいたらいいことがやってくるわよ。」と教えてくださいました。
それからは笑顔になれない日やうまくいなかない時によくこの言葉を思い出し、
心がけるようにしています。
理学療法士として日々いろいろな方に接していく中で、
勉強になる事ややりがいを感じられることが多くあります。
これからも皆さんに気持ちよく利用して頂けるよう、
笑顔で、相手の気持ちに寄り添う努力をしていきたいと思います。
いつも、笑顔で周りを気遣い、励ましてくれるというイメージの石坂氏ですが、過去の貴重な経験に裏打ちされているのですね。次号もお楽しみに!