当院では人工膝関節置換術後の方のリハビリテーションを数多く行っていますが、
手術後直ぐには膝に力が入りにくく、
椅子やベッドから立ち座りするのが大変な方もいらっしゃいます。
立ち上がりに必要な前方への重心移動
通常立ち上がるには、お尻の上に載っている体重を両足に移すことが必要です。
そのために膝を前に出して自分の体重を「前方」に持っていくことが重要になります。
しかし、立ち上がる際に膝が前に出ないと、体重を前方に持っていけず、
立ち上がりきれなかったり、後ろに尻もちをついてしまうこともあります。
手術後の膝の曲がりが重要
研究の結果、当院での人工膝関節術後の方の特徴として、
「膝の曲がりがよい」人ほど立ち上がる際に「膝が前によく出ていてる」という結果が出ました。
立ち上がる際に膝を前に出すためには、膝がより大きく曲がる必要があります。
なるべく手術後早期に立ち上がりしやすくなるために、術後リハビリはもちろん、
手術前リハビリから膝を曲げやすくするような取り組みが大切です。
仮に手術後の膝の曲がりが十分でなくても、
それを補うようなリハビリや、別の方法を提案することもできますのでご安心ください。(猪熊)