毎年9月を「世界アルツハイマー月間」と定められています。
皆さんは認知症と聞いてどんなことが思い浮かびますか?
私が病院で関わる方で「最近忘れっぽくなってきた」
ということをよく耳にします。
アルツハイマー型認知症の代表的な症状として
「エピソード記憶の障害」がありますが、
これは「加齢による忘れっぽさ」とは少し違いがあります。
私がよく耳にする「最近忘れっぽくなってきた」と
おっしゃっている方々は、忘れっぽさを自覚しているため、
加齢に伴うものの可能性が高いです(図1)。

しかし、年齢が上がると認知症のリスクが高くなりますので
早めの対策が必要です。
認知症って?
先ほど忘れっぽさについて述べましたが、
これは認知症の症状の一面であります。
医学的に認知症について述べると「脳の病変によって、
記憶や遂行機能、視覚認知などの複数の認知機能が後天的に低下し、
社会・家庭生活に支障をきたすようになった状態」です。
長ったらしく書きましたが、要するに「脳の病変で認知機能が低下し、
生活管理に手助けが必要になったら認知症」ということです。
認知症とフレイル
認知機能低下と身体的フレイル(体重・筋力・活動量の低下など)が
合併すると「認知的フレイル」と呼ばれます。
この状態に陥ると身体的フレイルや軽度認知症のみの場合よりも
要介護や認知症になるリスクが高まると言われています。
一見すると関係なさそうな身体活動も認知症に大きく関わっているのです。
認知症を予防しよう!
体操やウォーキングなど身体活動を行うことで
血圧が安定し「血管障害の減少」などの効果が生じることで
認知機能低下を予防することができます(図2)。
また、身体活動に加えて脳トレを行うことで
「認知レジリエンス」と呼ばれる脳の変化自体を防いだり、
変化に適応する能力が高くなります。それにより認知症の原因となる
「脳病変」に対して抵抗することができます(図3)。

(加賀美)
