昔の当院は、たくさんのスポーツ選手がリハビリ入院して競技復帰を目指しておりました。その選手達からたくさんのことを学びました。
スポーツ選手の目標は分かりやすいです。多くの場合「競技復帰して試合に出る」ことです。
患者さんと我々が共通目標を持つことでリハビリ効果が相当高まることを知りました。このことはスポーツ選手に限ったことではなく、他の患者さんにも共通しています。
さらにスポーツ選手の目標は非常に高いのです。コンマ何秒や数センチの改善が求められます。このように目標は高く持つ方がリハビリの効果が高いことも教わりました。
一方、なかなか競技復帰出来ない選手もいました。その方達の中には、他者の声に耳を貸さない選手が多かったように思われます。
やはり自己流にも限界があり、周囲の声を柔軟に取り入れることが何事も成功の秘訣だと理解しました。
スポーツ選手は筋肉が発達しております。その太い手足が怪我や手術によってあっという間に私より細くなるのです。一瞬、本当に元に戻るのかと頭をよぎるほどです。
ところが回復もすごく早いのです。その経過はジェットコースターのようで、その振れ幅の経験は人間の弱さと強さを知る機会になりました。
ある選手は「今回の怪我をきっかけに自分のためだけに戦うことを辞めて、これからは誰かが少しでも喜んでくれるように復帰したい。」と言っていたことが忘れられません。
自分が求める結果だけでなく、自分の周りの誰かのためになるだけで十分生きる価値があるんだということを学んだ気がします。自分が生きて仕事をして生活していることは必ず他の誰かの為につながっているということではないでしょうか。
真面目に頑張って人の役に立つ!というスポ根信条だけで生きて来ました。そろそろ誰かの役に立っていれば幸いです。という自然派信条にそろそろ書き直そうと思います。