暑さの厳しい日が続いておりますが、皆さんはいかがお過ごしでしょうか。
気温と湿度が高くなるこれからの季節は、毎年多くの人が熱中症にかかっており、
ニュースでも耳にする機会がとても多いと思います。
熱中症は誰にでも起こりうることであり、
重症化すると命にかかわることもあります。
熱中症は予防策を理解していれば防ぐことができます。
今回は熱中症が起こる理由と対策についてお話しします。
熱中症はどのようにして起こるのか
ヒトは暑さを感知すると、皮膚から直接熱を外気に逃がす熱放散や
汗によって逃がす気化熱により体温を下げます。
高温時は主に汗の蒸発により体温を下げる働きをしています。
しかし、外気温が高くなると熱を逃がしにくくなるほか、
汗により水分や塩分が体外に出てしまうために、
体内の水分・塩分が不足し、血液の流れが悪くなり体温が急激に上昇します。
このような状態が熱中症です。
そのため、適切な水分・塩分の補給が重要になってきます。
高齢者がかかりやすいワケとは?
前述したように暑さを感知すると、汗の量を増やし、
体内の熱を体外に逃がすように身体が働きます。高齢者の場合、
皮膚の温度センサーが鈍くなり、温度を感知しにくくなるほか、
体に含まれる水分量が体重の50〜55%(成人は55〜60%)と
不足しやすくなります(図1)。

それにより汗がすぐに出なかったり、汗の量が不足することにより、
熱を逃しきれず体に溜め込み、熱中症になりやすいと言われています。
加えて、喉の渇きを感じにくいため、脱水症状に陥りやすいとされています。
熱中症の予防・対策
熱中症は命に関わる危険な病気ですが、予防法を知っていれば防ぐことができます。
暑い日が続くと、体がしだいに暑さに慣れ、暑さに強くなります (暑熱順化)。
暑熱順化が起こると、循環血液量が増加し、汗のかき始めが早くなります。
そのため同じ体温に対する汗の量も増え、
より効果的に体温調節ができるようになり、熱中症にかかりづらくなります。
暑熱順化を促すためには、やや疲労感を感じる強度で、
毎日30分程度のウォーキングや筋トレ等の適度な運動を
継続することが大切です(図2)。

運動開始数日後から2週間程度で暑さに慣れてくるといわれています。
そのため、日頃から運動で汗をかくことを習慣づけ、
暑熱順化していれば、熱中症にもかかりにくくなります。
また、体調を崩さないために、適切な食事と十分な睡眠をとることを心がけましょう。
その他にも、こまめに水分補給や塩分をとりましょう。
涼しい場所で過ごすことや風通しの良い服を着るなども、予防法の一つですので
行ってみてください。(高濱)
