はじめに
寒さも一段と厳しくなり、全国ニュースでもみなかみ町が取り上げられるほど
雪が降るようになりましたね。
そんなとき「今日は天気が悪いから痛みが強いな」と感じることがありますか?
これは気持ちの問題なのでしょうか。
実は天気や気候あるいは季節の影響を受けて、症状が悪化する痛みは総じて
「気象関連性疼痛」と呼ばれて存在します。
これは主に天気の崩れに伴う気圧の変化(降下と上昇)と気温の低下が
原因となると言われています。
天気と痛み
痛みは交感神経の興奮を介して増強される可能性が考えられています。
では片頭痛など「低気圧が近づき痛む」はどのような原理で
生じるのでしょうか。体の中で気圧変化を感知している場所は「内耳」と
呼ばれる耳の一部に存在します。この内耳にある気圧センサーが
気圧変化に対して敏感な人ほど交感神経が興奮しやすく、
痛みを感じやすいと言われています(図1)。

次に「寒いと痛む」はどのような原理でしょうか。
先ほど述べた交感神経の興奮による痛みの増強もありますが、
主に皮膚にある冷たさを感知する場所(冷覚受容器)の活性化が起こることが、
寒さによる痛みの増強のメカニズムの主役と考えられています。
痛みを軽減するために
前述したように、天気による痛みは
「気圧センサーと交感神経の興奮」や「冷感受容器の活性化」
が大きく関わっていることがわかりました。
交感神経は緊張や興奮状態などで多く働きます。
反対にリラックスした状態などでは副交感神経という神経がよく働きます。
この二つの神経は相対するものです。そのため、交感神経の過剰な働きを
抑えるためには「副交感神経を優位にすること」が重要です。
【副交感神経を優位にするために】
十分な睡眠をとることやゆっくり湯船に浸かること、好きな音楽を聴くことなど
リラックスできる行動が副交感神経を優位にすると言われています。
今回はストレッチによるリラクセーションを紹介します。
呼吸は止めずに気持ちよく伸びている感覚がある範囲で行いましょう。
痛みや違和感がある場合は無理をしないでください。
★胸鎖乳突筋(きょうさにゅうとつきん)ストレッチ
名前の通り、胸骨・鎖骨から
乳様突起(耳の後ろの出っ張った骨)
までを繋ぐ筋肉が胸鎖乳突筋です。

乳様突起の周辺には片頭痛やめまいなどに効果があるとされるツボが
多くあります。また、内耳もその近くに存在します。
(加賀美)
