VOL.17:本屋さんが無くなった日

 皆さんにとって本屋さんはどんな存在ですか?

私にとって本屋さんは宝島的存在です。

 雑誌、小説、参考書に始まり文房具が揃う本屋さん。

カルタやジグソーパズルなどおもちゃも売っている本屋さん。

お菓子やテレビゲームを置いてある本屋さん。

そうです、私が好きなのは昔ながらの本屋さんです。

私は北海道の田舎にいた頃、

休日にオシャレをして本屋に出掛けるという謎の少年でした。

現在、歳を重ねたおじさんとしては本来の目的である

「何か面白そうな本」を探しに出掛けます。

ところが大型書店では、あまりよい本が見つかりません

ネットやTVで評判になっている本が我が物顔で陳列されています。

それで良ければアマゾンで買えます

平積みや面陳列(表紙を見せて立って並んでいる本)を見て、

何の本?面白そう!誰だこの作者?見たことない!

このような心中一人言を楽しんでから手に取って、

「お、重い。」「あれ軽い!」「紙が厚い」「スベスベしてる」

触感を楽しみ、装丁の色や造り込みにむやみに関心し

帯のコメントを読むそれから中身

目次からの本文をパラパラと見る時のワクワク感はたまりません。

ちなみにほぼ中身は読みません。パラパラを2回はいきます。速読は出来ません。

目に止まる文字や絵、図などがあれば前後を確認し、目次に急いで戻ります。

面白そうな雰囲気があれば購入します

ですから購入後ほぼ読まない本もあります。それもいいんです。

いつの日か少し成長した自分が読んでためになるかもしれませんので。

最近、本の探し方が変わってきた感じがします。

自分の考えを支持してくれる本を見つけようとしているのです。

なんだか偉そうですね。

「最高の本とは、あなたが既に知っていることを教えてくれるものである

(byジョージ・オーウェル)」という言葉もあるそうです。

 さて、私が最も好きな本屋は50号沿いの戸田書店前橋本店です。

チェーン店とは思えない品揃えと個性でした。

そうです、過去形つまり閉店してしまいました。

この書店の最大の特徴は本棚が低いことです。

見上げる本棚は参考書コーナーだけ。

常に広い店を見渡しつつ目の前の知らない本を開く、わくわくな宝探し

大型書店のように本棚が高くて、上ばかり見て首が痛くなる事もなく

五十肩の時も全ての本に手が届き

さっき見た本がどこの列だったっけ?と、迷子になる事もありません

こんな贅沢な空間が、昨年10月31日に静かに閉店してしまいました。

実に寂しい限りです。これから本の探検はどこに行けば良いのでしょうか?

素敵な本屋さん情報をお待ちしております

調べますと、全国書店の数は20年前に20,880店あったそうです。

それが2022年には11,495店まで減っていると。

ほぼ半分になってしまっていることに驚くばかりです。

思い返すと、私の田舎にも3店あった本屋さんも

今では学校の教科書を扱う1店のみになっています。

活字離れも影響があるのでしょうね。

そういう私は禁活字のままです。

電車通勤の始まりと共に数日に1冊のペースで小説を読む。

読む本がないと落ち着かない状態になるほどの活字中毒だったのです。

仕事や家庭にも悪影響があるので禁活字つまり禁小説としました。

今でも読むのはビジネス書だけにしています。これも活字離れの一つですね。

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