温泉プールを利用した水中運動の魅力

みなさんは当院にある「温泉プール」を使用したことがありますか?

「温泉プールって何がいいの?」「どんな効果があるの?」

と疑問に思う方は多いことでしょう。

そこで今回は水中運動の魅力についてお話しします。

【魅力 その一】

 刺激が少なく、疲れにくい

 当院の温泉プールは30度前後に設定されています。

体に対して熱すぎず、冷たすぎない温度(不感温度)に近いことから

体への熱の刺激が少ないです。

そのため、余計な酸素消費をせずに運動ができます。

【魅力 その二】

 浮力が働き、体が軽い

 水抵抗が働き、筋力アップ

 水中では浮力の作用により体重が軽減されるため、

関節への負荷を軽減する効果が期待できます。

また、水深が深いほど体が軽く感じます(図1)。

では、「深く沈んだ方が楽にできる?」と思いがちですが、

水中歩行をする上で考えなければならないのが水の「抵抗力」です。

 水中歩行する場合、

水抵抗は水を受ける体の面積に比例、歩行速度に2乗比例します。(表1)。

そのため、深く沈み込むほど前進する際に水を受ける体の面積が増え、

大きな抵抗力を受けることになります。

脇の下まで沈んだ状態でいつもの快適な歩行速度より「早歩き」を行うことで

ハムストリングス(もも裏)や内側腓腹筋(ふくらはぎの内側)の

筋力を鍛えることができます

【魅力 その三】

 水中運動により、消費カロリーアップ

 筋力強化の他にダイエットや体力向上を目的とした利用もオススメします。

これらは低負荷の運動を

20分以上の時間をかけて行うことが効果的と言われています。

歩行速度にもよりますが水中歩行は陸上歩行の約半分の時間で

同じ消費カロリー分の運動が見込めます(図2)。

 そのため、疲れにくく、体への負担が少なく、

短い時間でも運動効果が期待できる水中運動は魅力に溢れているのです。

注意点 

 みなさんも経験があると思いますが、

プールから上がると体が重く感じませんか

 浮力がなくなり重力を感じるようになる他に、

先に述べた水中運動の魅力により、

自分が思っている以上に動きすぎてしまい疲れている可能性があります。

自分の体力や疲労感、体調と相談しながら無理のない範囲で運動を行いましょう。

 水中運動に興味がある方は医師に相談の上、

初回はリハビリスタッフによる指導をさせていただきます。

【最後に豆知識】

 消費カロリーはおおよその数値になりますが、計算(※1)ができます。

ご自身の体重と水中運動を行った時間を入れて計算してみてください。

ちなみにご飯茶碗に軽く一杯(約150グラム)は

234カロリーと言われています。           (加賀美)

※1 消費カロリー=4.5メッツ×体重(kg)×運動時間(h)×1.05

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