誰しもが経験しうる慢性腰痛
谷川岳が雪化粧し、寒さが益々厳しくなってきましたね。
今回は「慢性腰痛」についてお話しさせていただきます。
除雪作業や年末のお掃除、年始の準備などで忙しく動き回り、
持病の腰痛が悪化してしまって・・・という人もいらっしゃるのではないでしょうか。
慢性腰痛とは、3ヶ月以上続く腰痛であり、
厚生労働省の2019年国民生活基礎調査によると、
日本人の自覚症状のうち、腰痛は男性で1位、女性で2位、
男女合わせて最も多い症状と報告があります。
また、生涯で腰痛を経験する人は8割以上にのぼるといわれています。
慢性腰痛の原因には、骨や関節の問題が関わっていることもありますが、
生活習慣やストレスなども強く関係しています。
このようにさまざまな要因が複雑に関係し合っていることもあり、
画像診断でははっきりとした異常が見つからないということが少なくありません。
検査をしても異常が見つからないと不安ですよね。
そこで今回は生活の中で簡単にできるセルフケアと生活習慣における心得についてお話します。
セルフケアと生活習慣
まず一つ目は、股関節のかたさについてです。
股関節は骨盤を介して腰椎とつながっているため、
股関節の動きに制限があると、代償として腰椎が動き過ぎてしまいます。
すると背骨や筋肉に過剰な負担がかかり腰痛の原因となります。
二つ目は、腰椎の不安定性(グラグラしていること)です。
腰椎は腹圧によって安定しますが、
この腹圧が弱くなってしまうと腰椎が不安定になり腰の痛みにつながってしまうのです。
この二つの問題への対処法としての運動をご紹介します。
股関節のストレッチ(図1)と、腹圧を高める呼吸練習(図2)です。
図を見ながら行なってみてください!
生活習慣では、肉体的な疲れやストレスを増やさないことが重要となります。
長時間同じ姿勢でいること、休憩せずに連続しての作業することが痛みを悪化させます。
これは立ち作業はもちろん、座り作業でも注意が必要です。
私が担当している患者様は皆さん真面目な方が多く、
作業を始めて休憩をせずに1時間以上作業を続ける方もいます。
腰への負担を考えると「流石にやりすぎでは?」と言いたくなってしまうところです。
作業を行うときはこまめに休憩をとり、身体的・精神的な負担を減らすよう心がけましょう。
少しでも痛みの軽減に役立てていただけると幸いです。(高橋)