人工膝関節のリハビリテーション

当院の整形外科では年間229件(2020年度)の手術を行っています。
内、194例が人工関節の手術であり、その多くは人工膝関節の手術になります。
そのため、多くの手術前後のリハビリテーションを行っています。

当院における人工膝関節のリハビリテーションについてご紹介します。

  1. リハビリテーションの特徴
  2. 術前リハビリテーション
  3. 術後リハビリテーション
  4. 外来リハビリテーション

リハビリテーションの特徴

1対1の個別リハビリテーション
当院では基本的に1対1の個別リハビリテーションを中心に行っています。
また、同じ人工膝関節の手術をされていても、手術前から同じからだの方はいません。
“腰痛がある”、“足首が硬い”、“内科的な疾患がある” など
膝の痛みだけでなく、他の不調や悩みもあると思います。
そのため、膝関節のリハビリ以外にも上記のような訴えも考慮し、ひとりひとりの状態に踏まえた包括的なリハビリを提供できるよう心がけています。

生活環境を考慮したリハビリテーション
からだの状態と同じように様々な環境で生活されていると思います。
“玄関に上がり框がある”、”ベッドはなく布団の生活”、”掘りこたつがある” など
その生活環境によって必要となる能力は変わってきます。
そのため、それぞれの生活環境に対応できるようにリハビリを考えています。

趣味や仕事を考慮したリハビリテーション
膝の痛みなどによってできなくなっていたことがあると思います。
“趣味のウォーキングを続けたい”、”仕事を続けたい”、”農作業をやりたい” など
当院ではこのような患者様の前向きな希望をできる限りをサポートしたいと考えています。
また、退院後も継続したリハビリを行っていますので、
 “仕事で始めてみたらこの動きが大変だった”、”どのくらい作業していいのか” など
その都度、相談しながらリハビリテーションを行うことができます。

術前リハビリテーション

手術を予定されている方に対して、関節の動きを広げたり、膝まわりの筋力トレーニングを行ったりすることで、できる限り良い状態で手術を行えるようにリハビリを行います。
術前のからだの機能と術後の経過やからだの機能が関係するとされているため、痛みなどに応じておうちでもできる運動をおすすめしています。

人工膝関節リハビリサポートブック
手術後にどのようなリハビリをするのかなどといった不安が多く聞かれます。
こうした不安や疑問に対して役立つ情報をまとめた「人工膝関節リハビリサポートブック」を作成し、配布しています。
このサポートブックを参考に手術前日までに説明を行い、術後のリハビリが順調に進むようにサポートしています。

膝の定期検査
術前から膝関節の曲げ伸ばしの角度や筋力、痛み、歩く速さなどを検査しています。
人工関節の手術を行うと一時的に関節の動きや筋力が低下します。
そのため、術前の検査結果を参考に、退院~術後12か月程度まで定期的に検査を行うことで手術後の回復の程度をお互いに把握し、リハビリの進み具合を調整しています。

術後リハビリテーション

後スケジュー

術後1日〜7日目
手術翌日からリハビリを開始します。
体調や痛みに合わせて、ベッドから車椅子へ乗り移るところから始め、平行棒など安全な空間で介助してもらいながら立ったり、歩いたりする練習を進めていきます。
術後7日目までを目安に歩行器等で歩行が自立できることを目標に歩く練習を行います。

また、手術により膝まわりはいわゆる炎症により腫れたり、熱を持ったり、痛みを伴うことがあります。
この炎症が長引くと手術の経過に影響してくるため、軽負荷の運動や適度なアイシングを実施することで炎症のコントロールをします。

術後7日〜14日
術後7日目までを目安に車椅子を卒業して、歩行器等にて院内の歩行自立となります。
痛みが徐々に落ち着き、膝まわりの動きを良くなってきますが、歩行はまだ不安定なことが多く、歩行器や杖を使用して歩く練習を行います。
また並行して、関節の可動域を広げたり、筋力トレーニングを行っていきます。

術後14日〜
歩行器などでの歩行が安定し、杖を使用しての歩行に移行していきます。
リハビリの進み具合によっては杖なしでの歩行が可能になります。
また、徐々に屋外での歩行練習を開始し、ちょっとした段差や傾斜、窪みなどを意識しながら練習していきます。
さらに、退院後の生活環境をイメージして、椅子や床からの立ち座りや階段、お風呂に入るときのまたぎ動作などの練習を行います。
特に階段の昇り降りは変形性膝関節症の患者様が日常で特に痛みを感じやすい動作ですが、手術後の練習により安全に階段昇降が可能となることが多いです。
また、当院では温泉を使用した水中リハビリテーションを実施しており、膝関節への負担を少なく運動を行うことができます。

外来リハビリテーション

退院後も必要に応じて継続したリハビリテーションを行います。
そのため、自宅に帰ってからそれぞれの生活環境で大変だったことや気になることについて相談したり、自宅でできるセルフエクササイズなども指導、確認しながらリハビリを行うことができます。
また、手術後も膝の定期検査を行うことで関節の動きや筋力の経過を確かめ、それぞれの目標に向けてリハビリを継続していきます。
群馬最北リハビリch 」にて変形性膝関節症のリハビリテーションを紹介しています。